2014/08/28

美瑛、青春のありか


今日も平和な蜂の宿。





ダラダラ雑談しながら溜まっていた洗濯物をやっつける。これで今日の仕事はすべて終わった……。もう何もしたくない……。





陽気にあてられてベンチで寝るアベくん。

話し相手がいなくなってボケーッとしてたら、さっき出発したライダーが1人戻ってきた。どうも忘れ物をしたようだ。しばらくダラダラと雑談してたら、出発するのがめんどくさくなったのか、今日も泊まることにしたようだ。蜂の宿の魔窟っぷりがやばい。





マスターは買ってきた木材に防腐剤を塗っている。またどこか増築するらしい。





宿の前の大通りはライダーがよく通る。手を振ると振り返してくれる人が多い。でもガチャピンメットは初めて見たwwwなんぞこれwww





牧草ロールを積んだトラックも通る。やっぱりこれすげーなあ。自分が北海道にいることを実感するわ。





ボケーッと通りを眺めていたら、いつのまにか夕暮れだった。





居酒屋でジャガイモのリゾットを注文。500円。これも量が多くてうまい。

アルコール飲み放題(90分1000円)を頼んで、厨房に入って自分で適当にサワーとか作りつつ、新しく来た旅人たちとまたいろんな話で盛り上がる。

この宿は連泊者が多いわりには「ヌシ」のような人間はいないので、毎晩、空気が新鮮なものに入れ替わる。話題も、ノリも、毎晩ぜんぜんまったく別物になる。

ふと、ライダーハウスを経営する側の楽しみっていうのはこういうところにあるのかなあと想像する。それはひとつの土地にとどまりながら旅をするようなものなんだろうか。





居酒屋のほうがお開きになっても外の席でまたダラダラとダベる。





そして夜も更けてきて、いつしかパチンパチンと将棋を指す音だけが響くようになる。





他の人たちは漫画に夢中。会話はない。せっかくみんな旅に出てるのに。なんという友達の家あるあるwww


僕も彼らにまじってダラダラと漫画を読んでいると、ふいに遠い昔のことを思い出した。

友達の家に集まって、夜遅くまでクソゲーに興じたり、漫画を読んだり、深夜の通販番組が何度も同じ内容を繰り返すのを見て爆笑していたことを。

当時は「なんてくだらないことをやってるんだろう」と思っていた。もっと有効な時間の使い方があるのではないか、もっと青春を謳歌するべきなのではないかと思っていた。

でも、あれから20年近くたった「いまこの時点」からその光景を眺めてみると、なぜかそれが泣きたくなるほど眩しく見える。あのどうしようもなくくだらない日々が、どんな宝石よりもキラキラと輝いて見える。

もしかしたら、と思う。もしかしたら青春とは、過ぎ去った日々の中にしかないのではないか。

きっとそのただ中にいるときは、それが青春だなんて気づけない。長い時間が過ぎ、遠い場所からそれを眺めることで、初めてその輝きに気づける。同じ時間、同じ場所には、決して戻れないのだと、「二度とない」という形容の意味をこれ以上ないほどに実感したとき、人は自分が青春の中にいたことに気づくのだ。

だから、「いまこの時間」が、この世のどんな宝石よりも価値ある黄金の日々なのだということに気づくには、もう少しだけ時間が必要なんだろう。僕にも、彼らにも。