2014/08/18
旭川~稚内、ライダーハウスみどり湯
そろそろ稚内へ行くことにした。
旭川の街ともお別れ。でもここにはまた来るような気がする。そのときも彼は今日と同じようにサックスを吹き、猫は今日と同じように聞きいっているのだろうか。
駅のキオスクでジュンドッグを買う。今回はエビフライ。ソーセージも食ってみたかったけど、やっぱり1本で腹いっぱいになった。
そしてまたワンマン列車に乗る。
青春18きっぷは2枚目。
和寒(わっさむ)とか、北海道独特の語感にも慣れてきた。
名寄(なよろ)駅で乗り換え。
今回の車両は机付きだった。
音威子府(おといねっぷ)駅でしばらく停車。駅の外に出て、体をほぐす。
そしてまたひたすら北へ。
牧場があった。
幌延(ほろのべ)駅でまた停車。
駅舎内。ストーブを囲うように椅子が並んでるのがすごい北国っぽい。
幌延では30分くらい停車するらしいので、駅周辺をちょっとブラブラしてみる。
Aコープというスーパーがあった。ローカルな生協なのかと思ったけど、これは農協の購買部門らしい。店員さんの制服が銀行員みたいだなとは思ったけど、そういうことか。初めて見たわ。
そのAコープで少し遅い昼食を買う。
おにぎりの包装がなんか懐かしい感じ。いまの左右に引くタイプっていつごろ出てきたんだっけ? 最初はすごく感動した気がする。
丘の上に風車が見える。
だんだん街の風景になってきた。北海道の旅はあれだな、ドラクエっぽいな。街と街の間になんもない感じが。
南稚内駅に到着。
思ってたより都会だ。
釧路で会ったチャリダーの人に教えてもらった「ライダーハウスみどり湯」へ。駅から歩いて10分くらい。
素泊まり1泊1000円。風呂は隣の銭湯(別料金440円)。
適当にベッドを選んで荷物を置き、まずは銭湯へ。今日は休みらしく、ここの宿泊客のみ入浴可らしい。先客が何人かいて、少し雑談する。
「近所のセイコーマート行った? あそこ弁当の値引き販売してるよ。半額になったりするの」
え、マジか。大手はそういうの厳しくて、廃棄にするしかないのに(しかも店側の負担)。セコマはオーナーの裁量権が大きいのかな。
というわけで晩飯を買いにセコマへ。
マジで割引やってる。ちょっと早い時間だったからか半額のはなかったけど。
オリジナルブランドのインスタントそばとお茶を買った。
1階のリビングで食っていると、いろんな人がやってくる。利尻島へ行ってきたという若者、中国人のカップル、さっき宿の前でバイクを修理してた人も「なんとかなったー」といいながらやってきた。
宴もたけなわなころに全員で集合写真を撮影する。
そのあとなぜか部屋の電気が消え、ミラーボールがまわり始めるwwwなんぞこれwwwww
まずは女将さんの注意事項。
「ケンカ厳禁」
「お酒は飲み過ぎないように」
「ここでライダーハウス20年近くやってて、もうゲロの掃除はこりました」
「ゲロが出た場合、みんなで掃除してもらいます」
そのあとはミラーボールがまわったまま自己紹介タイム。お立ち台もあるけど、使ってたのは1人だけだった。
銀行に勤めているという人、福祉関係の仕事をしているという人、離島で漁師をしているという人、いろんな人が集まってる。
自己紹介タイムのあとは、なぜかみんなで肩を組み、松山千春の「大空と大地の中で」を合唱する。なにこれwwwww
ああそうか! 釧路で会った人が「夜はみんなで歌ったり」っていってたのはこれのことか!wwwww
僕はこういう感じの、誰かがギター弾いて適当に歌う感じだと思ってたwww
大自然(焼酎)はカンパ制の酒らしい。
それを飲みながら、いろんな人と話をする。自分とはまったく別の人生を送ってきた人の話を聞くのは、やっぱりおもしろい。
隣の席の女性が話しやすい雰囲気の人だったので、自分のこれまでの身の上話なんかをしていると、唐突にこんなことを聞かれた。
「さびしくなったりはしないの?」
人恋しくなる、という意味だろうか。たまに孤独を感じる瞬間はあるけど、それは「自分と同じ生き方をしている人間がいない」という不安と同義のものだ。この人がいっているのは前者の意味だろう。
「んー、あんまり。でも昔はそうだったかも。工場で働いてたとき、一日中ずっと同じ単調作業して、スーパーで惣菜買って帰って、誰もいない部屋でモソモソと食って……。さびしいってより、むなしいって感じ」
「いまは違うのね?」
「いまはわりと人生楽しいですよ。いつも崖っぷちですけどね」
そして「いつも崖っぷち」なのも、「自分と同じ生き方をしている人間がいない」のも、きっと誰でも同じなのだ。自分ひとりだけが特別なわけじゃない。