2014/08/08

釧路~根室、祭り前夜

朝起きたらなんだか体が軽かった。ここ数日、釧路でダラダラして、ようやく心身ともに急激な環境の変化についてきた、「旅をする体」になってきたようだ。

5分でパッキングをすませ、ゲストハウスを出る。





そういや釧路の市バスには乗ってなかったなと思い出し、生涯学習センターから駅までバスで行くことにした。





やはり知らない街の市バスに乗るのは楽しい。雨もパラパラ降ってきたし、こっちにして正解だったな。





そして釧路駅からまたワンマン列車に乗る。なんとか座れたけど、今回はかなり混んでいた。向かいの席では首から名札を下げた女性がダンボールの中を整理している。年配男性がその女性に「添乗員さん、何分くらいかかるの?」と聞いている。「2時間ちょっとです」と女性が答える。ああ、ツアーなのか。

僕の隣には親子連れがいて、母親のほうが「なんでこんなに多いんだろ」といっている。「これ根室行きですよね?」と聞かれたので、「ええ、ツアーの人がいるみたいで」と答えた。





天井に扇風機があった。





途中、厚床(あっとこ)で「17分ほど停車します」という車内放送があった。また待ち合わせらしい。





こういうの見ると田舎の駅って感じがする。





ホント今回は混んでるなー。





そして昼過ぎに根室駅に到着。霧雨みたいな感じの雨が降ってる。





釧路にいる間にこっちでのゲストハウスは予約しておいた。市バスで有磯営業所というところまで行けばあとは歩いてすぐみたいなんだけど、これでいいのかな? いちおう、「これって有磯営業所に止まります?」と聞いてから乗車する。始発だからか整理券はなかった。

有磯営業所に着くころには雨はやんでいた。Google Mapsをコンパスモード(3D表示の上、常に自分の向いている方向に地図が回転する)にして、それと照らし合わせながら宿を探す。でも、ない。どこにもそれらしい建物がない。住所的にはこの辺のはずなんだけど……。しかたないので宿に電話する。

「いま千島町会館ってとこの前にいるんですが……」

「ああ、すぐ迎えに行きますね」

よかったよかった。





で、連れていってもらったのは、さっきまさに来たところ。うん、住所的にはこの辺のはず。





これか! これなのか! 看板も表札もない! いや民家を改装してゲストハウスにしてるとは聞いてたけど、これ初見でたどりつくの無理ゲーすぎるwwwww





ゲストハウス「とまや」。8畳くらいの個室で1泊3000円(1階の部屋は2500円)。めちゃくちゃ綺麗だし、個室でこの値段はいいなあ。





三重窓だった。すげー。





部屋に荷物を置いてさっそく散策に出る。





にゃんこー。





なぜか自分が生まれ育った街を思い出す。





バスに乗ってるときも思ったけど、北方領土返還を訴える看板が多い。





港に来てみた。なんかめっちゃ潮の匂いがする。釧路ではそんなでもなかったのに。なんでだろ。

あとで聞いた話では、こちらの港はさびれ気味で、太平洋側の花咲港のほうがいろんな魚がとれて、にぎわってるらしい。





道ばたに自販機がたくさん並んでた。





ガムの自販機とかめっちゃ久しぶりに見た。というか最後にガム食ったのいつだっけ。なんで昔はあんなにガム食ってたんだろ……。これは年齢の変化ゆえなのか、時代の変化ゆえなのか……。





なんぞこれwww





公園はめっちゃ綺麗に整備されてる。でも誰もいない。というか街を歩いている人の姿をあまり見かけない。





作業服店をいくつか見かけたけど、土木作業員用じゃなくて漁師用の商品が多いみたい。





いろんな形の看板がある。





いい感じの公園があったので入ってみる。





BBQできるとこあるのか。最近はBBQ禁止になってる公園が多いのに。いいなあこれ。





ゴミ箱もなんかすごい。





案内板が英語とロシア語。すげー。





お、イオンがあるで。入ったらすぐ服のフロアで、「ファッ!?」ってなった。





ああ、こういうことか、大通り側から入ると2階になるのね。





セイコーマート、どこにでもあるなあ。





街のいたるところに……。





北方領土返還を訴える看板。





市役所も。





そんなこんなで駅前まで戻ってきた。これは海鮮市場。カニが安い。





駅周辺にはカニを売ってる店が多いけど、あまり活気はない。





駅前の喫茶店。腹が減ってきたので入ってみる。カウンターに座ってくつろいでいる人たちがいたけど、営業してるのかどうか微妙だったので、「やってます?」と聞いてみる。「あ、はい、やってます」





店内はすごく懐かしくなる感じ。インベーダーゲームのテーブルとかあってもおかしくない雰囲気。

根室にはエスカロップというB級グルメがあるという話を釧路で聞いていたので、メニューでそれを探したけどなかった。あ、あれ? ないの? と思って店員さんに聞いてみる。

「エスロ……んん……エスカロップってあります?」

なぜかエスロカップと間違えてしまう。

「エスカロップですね、ありますよ」

あるんかい! 裏メニューになってるのかwww





これがエスカロップ。カツにかかったデミグラスソースが下にあるバターライスと合っててめちゃくちゃうまい。デミソースの料理食うと、外食してんなーって気分になるよね。え? ならない?





腹ごなしにまたブラブラ歩く。あ、これって滑り止め用の砂だったのか。





そして図書館へ。





街の規模からしたらかなり広くて蔵書数多い。そして綺麗。





やはり北方領土関連の本が多い。





郷土資料とかもおもしろいけど、こういうフリーペーパーもおもしろいのよ。





エスカロップ特集があった。やっぱ根室ではメジャーな料理なんやね。





また街をブラブラ歩いてたら、「道頓堀」という名前の店があったので、思わず立ち止まってしまった。そしてここの看板にも「エスカロップ」の文字w





最近こういうおもちゃ屋さん減ったよなあ。





この辺が繁華街なんかな? 飲み屋とかカラオケ屋とかが集まってる。





近いうちに祭りがあるらしい。





宿に戻るとリビングで男性宿泊客2人とオーナーがくつろいでいた。

オーナーの話では、明日から祭りがあるそうな。やっぱりかー。4つの地区で山車を出して競い合う、みたいな感じらしい。

「ああ、そういえば今日、港のほうでワンピースの山車を見ました」

「たぶん東部地区の山車ですね。今年はワンピースなのかあ。あそこ、いつも色モノなんですよ」

そうなのかwww

宿泊客の一人はサラリーマンで、6年同じ会社に勤めているといっていた。もうやめたいけど、どうしようか、北海道で農家でもしようかな……みたいな。

もう一人は大学で国際問題についてのゼミにいて、北方領土問題についてのフィールドワークに来たらしい。ちょっと興味があったのでいろいろ話を聞いてみる。

年配の人にとっては北方領土はそれなりに愛着があって、真剣に捉えている人もいるけど、それもなあなあになってきている。もうこっちに住み着いちゃってるし、たまに墓参りにいければ、それでいいや、みたいな。若い人だとなんの実感もないからしらけてる感じ……だそうな。他にもビザなし交流の話とか、自分の知らない世界の話がいろいろ聞けておもしろかった。

なんかホント、世の中いろんな人がいて、いろんな人生があるんだよなあ。