2014/09/08

小樽、飲んだくれた一日

小樽観光1日目。





まずは小樽駅前へ。もっとレトロな港町を想像してたけど、駅前はめちゃくちゃ都会。





中央通りを東へ進むと、北海道最古の線路「手宮線」跡があって、そこで青空写真展をやってた。





普通に人力車がいる。





そしてさらに東へ歩くと小樽運河。あー、これや。小樽のイメージってこれやわ。





遊覧ボートとかあるみたい。





遊歩道には露天商の姿が多い。いま泊まってる宿にも露天商の人がいるんだけど、その人の姿はなかった。いままでこういう人たちってどういう生活してるんだろうと思ってたけど、実際にいろいろ話を聞いてみたら、やはりフーテンの寅さんみたいな暮らしらしい。





小樽運河の近くにはかつて「北のウォール街」と呼ばれた区画があって、銀行や商社の古い建物がそのまま残されてる。





でもいまは飲食店の店舗になってたり。





そしてそんなレトロな街並みの中をレトロなバスが走る。





堺町通りはさらにレトロな街並み。





小樽ビールの醸造所見学へ。





中は醸造所兼パブ。目の前で作ってるビールを飲めるようになってる。





次の見学ツアーまで時間があったのでビール(ピルスナー)を飲んで待つことにした。市販されてる他のビールより苦味が強いけど、それが嫌味じゃなくて飲みやすい。おお、すげー。本物のビールって感じ。





見学ツアー開始。まずは麦の種類から。麦は焙煎時間によって色が変わって、黒ビールはその焙煎時間が長いから焦げてる色なんだとか。なるほど。黒ビールの色ってそういうことだったのか。しらんかった。





そしてホップと酵母と水。

ビール純粋令(ビールじゅんすいれい、独: Reinheitsgebot)とは、1516年4月23日にバイエルン公ヴィルヘルム4世が制定した法。「ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする」という内容の一文で知られる。現在でも有効な食品に関連する法律としては世界最古とされている。
Wikipediaより

ドイツでは現在でもこの法律を遵守してビールが作られているのだそうな。そしてこの小樽ビールも。





売店に置いてあった瓶ビールを逆さにすると、下のほうに沈殿していた酵母菌が漂っているのが見える。酵母が生きているから「生ビール」。日本の飲み屋とかでいう「生ビール」は本来の意味ではないんだよなあ。

ちなみにこのビールは4週間しか持たないんだそうな。だからできるだけ新鮮なビールを客に届けられるように醸造所自体がパブになってる。なるほど、そういう理念のもとにここは経営されてるのか。





店の中央にドデンと置かれてやたら存在感のあるこの仕込み釜、飾りではなく、普通に現役で使われているらしい。今日は中が空だったけど、仕込みがあるときはここからいい匂いが漂っているのだそうな。





見かけは少しレトロだけど、管理はハイテク。こういうのだとやっぱりフルスクラッチで管理ソフトを開発してたりするのかな。





冷蔵室。さ、寒い……。

日本人は冷たいビールが好きだから、グラスまでキンキンに冷やして飲んだりするけど、あれはのどごしがよくなるだけで、味はわからなくなる。ビールの適温は6度から8度くらい。とガイドさんが説明してくれた。

これってビールに限らず、料理全般にいえることだよなあと思う。冷たすぎたり熱すぎたりすると味がわからなくなる。コーヒーもドリップしたてよりも少し時間を置いて温度を下げたほうがおいしく飲めるし。





ビールの元になる麦汁を飲ませてもらった。シロップみたいに甘い。この糖分を酵母が食べて発酵して、あのシュワシュワなビールになるんだなあと考えると、なんかすごい不思議な感じがした。





ビール醸造所見学、存外におもしろかった。ビールはけっこう好きだけど、そういやその製造過程ってぜんぜん気にしたことなかったわ。どんなものにも、完成品になるまでの「物語」があるんだよなと実感した。





そしてまた街歩きに戻る。これは出抜小路の火の見やぐらから。小樽運河が一望できる。





堺町通りの雰囲気はどこか京都に似てる。





北一硝子で地酒の試飲をやってたのでいろいろ飲み比べる。北のウォール街にあった店でワインの試飲もしたし、さっきの醸造所でビールも飲んだし、なんか今日は飲んだくれてるなw





ほろ酔い加減で街を歩く。やっぱり坂が多い。函館も釧路も、そういや神戸もそうだったなあ。港町ってどこもこういうもんなんだろうか。多少不便な地形でも開発して住む価値があるからかな?





高台にある水天宮へ。地図上で見るとそんなに離れてないように思ったけど、坂が多いから来るのはけっこう大変だった。





鳥居の中に教会。お寺もあった。なぞい。





水天宮の本殿。大正8年に建てられたものらしい。





境内からは小樽港を一望できる。おおー、大変な思いして来たかいはあった。





境内にいた猫。





商店街をブラブラして帰る。





宿に帰るとオーナーがいたので、さっき北一硝子で買った「熊ころり」を一緒に飲む。かなり辛口だけどすっきりしていて飲みやすい。これはいい酒だわ。ワインもそうだけど、ちゃんと酵母が仕事した(糖分を分解した)酒は、辛い(すっぱい)けど、そのぶんおいしいんだよね。

まだ夕方4時だからか、誰もチェックインしてくる人はおらず、しばらくオーナーとチビチビ飲みながら雑談する。

「小樽のあとは札幌で住むところと仕事を見つけて、しばらく暮らそうかなと思ってます」

「それならうちから通えばいいよ」

「近いよ」

「札幌まで電車で30分だよ」

「冬の間はライダーハウスやってないけど、鍵わたしとくからさ」

「屋根裏部屋なら1日1000円でいいよ」

え、なに、屋根裏部屋とかあるのwwwとか思ったら案内してくれた。階段を上って3階へ。ここにはいま露天商の人が住んでいるらしい。へー、3階にも部屋がいっぱいあるんだなあ、とか思ってたら、オーナーがフック付きの棒を使って通路の天井から隠し階段を引き出す。なにこれwwwすごいwwww

隠し階段から4階に上がると、少し天井が低くて、たしかに屋根裏部屋って感じだった。外観は普通の雑居ビルなのに、おもしろい構造してるなあ。なんかすごいわ。これで月3万ならけっこういいかも。「ちょっと考えておきます」と返答しておいた。





そしてまた階下に戻って飲み直す。なんか本棚に「地球の歩き方 ソ連」があったwww地球の歩き方ってそんな昔からあるのかwww





1991年発行らしい。まさにソ連崩壊のその年だwww

しかしよく考えたら平成生まれの人(1989~)って、ベルリンの壁崩壊後に生まれてるんだよなあ。1980年生まれの僕でさえ、冷戦の名残くらいしか感じられなかったんだから、それよりあとに生まれた人にとっては、資本主義社会こそが「あたりまえ」で、それ以外の社会のあり方があるかもしれないってことに思い及ぶ人は少ないのかもしれない。





そうするうちに、いつのまにかライダーやチャリダーが続々とチェックインしてきて、大広間のほうへ移って飲み直した。楽しい宴会だった。

明日もまた小樽観光やー。