2014/07/31
It's time to move on
当時、私はボールダーに建設されていたマンションの工事現場で、時給3ドル50セントの臨時雇いの大工として働いていた。ある日の午後、2×10インチの板をかついだり、3.5インチの釘を打ったりして、9時間働いたあと、現場監督に仕事をやめることを伝えた。「いいえ、2週間後じゃないんです、スティーヴ。いますぐやめたいんです」私は数時間かかって、住みこんでいた薄汚い工事現場のトレイラーハウスに置いてあった道具類やほかの所持品を片づけた。そのあと、自分の車に乗って、アラスカに出発した。いつもながら旅立ちというのは、いかに気が軽くなるものか、いかに気分がいいものか、私は驚かされた。世界がいきなり、可能性でいっぱいになるのだ。ジョン・クラカワー「荒野へ」pp.219-220 ...